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糖尿病の治し方

      2015/11/19

糖尿病の治し方

糖尿病の検査

尿糖の検査
尿糖というのは、尿に排出されているブドウ糖のことです。普通、腎臓は血液中のブドウ糖を、体内の老廃物である尿素やクレアチニンなどといっしょに濾過し、さらに、有益であるブドウ糖は、尿細管という腎臓の中の一器官で再吸収し、血液に戻します。

糖尿病の場合には、この最後に吸収し、血液に戻すときに、ブドウ糖の量が多すぎてすべてを回収しきれません。したがって、洩れたブドウ糖が尿に混じって出てくるわけです。
普通の人は、血糖値が160mg/dlから180mg/dl程度を超えると尿から糖が出てきます。しかし、なかには生まれつき尿糖の出やすい人もいます。血糖が低くても、ブドウ糖を体内に回収しきれず、尿といっしょに排出してしまうわけです。
このほか、人間はだれでも尿から糖を出すときがあります。何日も食事をしなかったり、ストレスがあるときです。二、三日食事をしないでいると、肝臓に蓄えてあるグリコーゲンが分解されて、ブドウ糖として血液に送りこまれるからです。過度の緊張といったストレスが続いたときも、血糖値が上がり、尿から糖が出ます。
ですから、尿から糖が出たからといってすぐに糖尿病とは決められませんので、血糖の検査をして、血液中のブドウ糖の量を直接調べる必要があります,尿糖の検査は、食事の一時間から二時間後がよく、とくに朝食の二時間後が最適です。

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血糖の検査
その人が糖尿病であるかどうかの判断には、尿糖や血糖が予がかりとなります。しかし、尿糖だけでは糖尿病かどうか決定できないことは、すでに述べたとおりです。糖尿病の診断には、血糖の検査が重要な役割を果たします。
血液中に溶けているブドウ糖を、血糖と呼びます。血液中のブドウ糖は、たえず肝臓から供給され、常に一定の濃度に保たれています。
健康な人の空腹時の濃度は、90mg/dl前後です。食事をすると上昇しますが、一時間半から二時間でもとの濃度に戻ります。
ところが、糖尿病の人ですと、これが高い値を示すようになります。病状が軽いうちは、朝食前の空腹時の血糖値は健康な人と変わりませんが、食後の数値に違いが現れてきます。普通、血糖値は上がっても140mg/dlくらいですが、糖尿病患者は、初期の人でも180mg/dlくらいに上がり、なかなか下がってきません。重い糖尿病患者の場合は、この上昇がいっそう激しく、時間もより長く持続します。空腹時にも、血糖値が高くなります。
糖尿病かどうか調べる際には、この血液中のブドウ糖の量を測ります。
それには、「ブドウ糖負荷試験」という検査を行います。むずかしい名前ですが、この検査は、ブドウ糖を溶かした液を飲んで、決められた時間をおいて、血糖を測るものです。誤りのない結果を得るためには、守るべき注意事項があります。
この検査を受ける前の二、三日は食事をきちんと取るようにします。検査の前日の夕食も、六時から八時ごろに取り、その後は夜食などを取ってはいけません。検査当日も、終了するまで食事をしてはいけません。水やお茶はかまいませんが、牛乳やコーヒー、ジユースや清涼飲料など糖分を含んだ飲み物もいけません。この検査では、まず、空腹時に血液と尿を取ります。その後、七五グラムのプドウ糖を溶かした液を飲みます。飲み終わったときから、2時間後まで30分ごとと、三時間後に採血します。同時に一時間ごとに採尿します。この間、動きまわったり、食べ物を取ったりしてはいけません。こうして得られた血液と尿から、血糖値と尿糖を調べます。

ブドウ糖負荷試験の注意事項
・試験前2、3日は食事を規則正しく
・前日の夕食は8時までに
・前日は夜食を取らないこと
・試験当日は朝食抜き
・試験前は牛乳、コーヒー、ジュース類も飲まない
・ブドウ糖を飲んだら動きまわらない
・ブドウ糖を飲んだら何も食べない

診断の基準
以上の血糖検査のほかにも、さまざまな検査が行われます。肝機能検査やX線検査などにより、ほかに血糖値が高くなるような病気はないかを調べます。こうした検査により、血糖値が高くなる原因がないとすれば、血糖値が高いのはまさに患者が糖尿病であるから、と断定されるわけです。
糖尿病は進行していくにつれて、合併症を引き起こします。この合併症が出ている状況で、糖尿病の進み具合が判定できます。とくに、眼底の検査が重要です。糖尿病は血管の障害を伴い、それは、目にいちばんよく現れるからです。
このほか、腎臓機能の障害や動脈硬化症、神経障害、感染症などが調べられ、対策がとられます。

コントロール
糖尿病はインスリンの代謝異常によって起こります。糖尿病は病気というよりも、体質異常といったほうが正確かもしれません。
現在の医学では、糖尿病に関しては、原因を取り除く根本的な治療は不可能です。ですから、糖尿病の治療というのは、患者の日常生活を管理し、健康な人と同じような社会活動ができるようにすることです。この日常全般にわたる管理を「コントロール」と呼んでいます。よいコントロールを続けていけば、糖尿病であっても、健康な人と変わりのない人生を送ることができます。糖尿病は病気というよりも、体質なのですから。
糖尿病患者の外来治療でのコントロールを知る目安として、グリコヘモグロビン(HbA1)を測定する方法があります。グリコヘモグロビンは、赤血球のなかにあるヘモグロビンに糖がくっついたもので、血中のブドウ糖が多くなるほどふえていきます。このHbかは測定前1、2カ月間の平均血糖を表すものとされ、正常値は2?7です。
さらに、1、2週間前の血糖コントロール状態を知るのに、血清フルクトサミン(糖化アルブミン)を測定します。正常値は2.2?2.8になります。これらの検査により、血糖検査の前後ばかりでなく、その間のコントロール状態を知ることができます。
糖尿病のコントロールの目標は、ただ、単に血糖値を下げることだけではありません。真の目的は、普通の社会人として生活していける状態に保っていくことなのです。血糖値や尿糖、血圧など、体のすべてが正常であることが大切なのです。
コントロールの良否の判定は、上の表のような項目について、担当医がチェックし判断します。
治療が適切で、日常生活がよい状況であれば、コントロールの項目チェックでもよい成績がおさめられます。そういう状態であれば、今後、合併症に発展する可能性はありません。
しかし、コントロールがうまくいかないときには、治療や日常生活の中の問題点を洗い出し、再検討する必要があります。

糖尿病のコントロールの基準
・自覚症状がないこと
・朝食前の尿糖が陰性であること
・朝食前の血糖値が80?140m9/d£であること
・1日の血糖値が常に250m9/ぶ以下であること
・1日の尿糖排泄鶯が109以下であること
・血中総コレステロールが正常であること
・尿アセトン体が陰性であること
・低血糖症状がないこと
・標準体重の士10%以内を維持していること
上記について常にチェックし、正常を保ちましょう

治療の原則
糖尿病の治療の基本は、「食事療法」と「運動療法」の二つです。大半の糖尿病がこの二つの療法でコントロールできます。
薬物による治療は、この二つで病状がどうして
も改善されない場合に行われます。この場合も食事療法と運動療法は続けられます。
以上あげたことは、Ⅱ型糖尿病についての治療の原則です。I型糖眼病の場合は食事療法と運動療法のほかに、インスリン注射を絶対に欠かしてはいけません。
糖尿病治療の原則をまとめると次のようになります。
①食事療法と運動療法が基本。薬物はそれでも改善がみられない場合。
②治療は一生続く。適切な治療で健康な人と変わりのない生活を送ることができる。
③担当医との密接な連携が必要。自己診断はつい自分に甘くなりがちで、危険を伴う。

教育入院
糖尿病は原則的に入院の必要はありません。自宅で食事療法と運動療法を行います。この食事療法も運動療法も、特別なことをするというのではなく、「自分は健康で暮らしたい」と願う人は、だれもが実行すべき普通の生活習慣といってもよいものです。
ただし、糖尿病でも入院したほうがよい場合があります。合併症を起こし、医師の徹底した治療が必要なときと、教育入院です。
教育入院というのは、糖尿病であると診断された患者が、仮に入院というかたちをとって、糖尿病についての基礎的な教育を受け、糖尿病に対する心構えを身につけるものです。
糖尿病というのは、正しい知識と正しい生活習慣を身につけることが、何より大切です。しかし、長年続けてきた生活習慣は、なかなか変えられるものではありません。そこで、糖尿病の治療とはどういうものか、実際に体験してもらおうというのが教育入院です。
どういう食事を取ったらいいか、どういう運動をしたらいいか、糖尿病とはどんな病気か、などをテーマとして、医師と栄養士から講義と実習を二週間にわたって受けます。こうして、食品交換表の使い方や、運動としての歩き方まで、実用的知識を得るのです。実際に糖尿病のための食事を2度3度食べてみることによって、普段の自分の食事のどこがいけなかったのかを認姦できるわけです。
教育入院のもう一つのねらいは、患者を孤独感から救うことにもあります。ある日突然に、「あなたは糖尿病です」などといわれ、途方にくれてしまう人も多いのですが、同じ病気をもつ人たちとの交流を通して、療養についての展望が得られ、糖尿病と闘う気力がわいてきます。
糖尿病の教育入院というのは、病気を治すというよりは、病気に対する心構えと生活習慣をつくるものであり、糖尿病を治療する生活習慣を身につけるための入院とでもいえるかもしれません。

食事療法

食事療法の考え方
糖尿病の食事療法は、ある一定の規則に従って食事を制限するわけですが、決して不自由な食生活を強いるものではありません。食事療法は基本的に次のように考えられています。
①カロリーを、多すぎず少なすぎず最小必要ほにおさえる。
②各栄養素全体のバランスをとる。
すなわち、好きなものを食べてよいのです。糖尿病だから食べてはいけないという食品は一つもありません。また、糖尿病だから毎ロ食べなければいけないという食品もありません。ただ、量を取りすぎず、いろんなものをバランスよく食べることが大切なのです。
かつて糖尿病の食事といえば、ごはんやイモ、砂糖を含むものはいっさいだめで、食べなさいと勧められるのは、エネルギーが低いわりにほのある「おから」でした。しかし、科学的な研究が進むにつれて、糖尿病は、ただ単に糖分を控えればよいものではなく、むしろ、糖分もバランスよく取っていくことが必要なことがわかったのです。
食事療法では、家族の協力が欠かせません。患者だけが特別な食事を取るのは、主婦の手間もたいへんですので、患者の食事と家族の食分はなるべく同じか、少しのアレンシですむように工夫しましょう。

糖尿病の食事療法

糖尿病の食事療法

糖尿病の食事は、健康食と考えてよいのですから、「こんな病人のための食べ物をいっしょに食べるのはいやだ」などと敬遠しないでください。子どもに体質が遺伝している可能性を考えれば、家族全体が健全な食生活を営むのは大切なことです。
はじめの数週間は、「この食事は糖尿病の制限食なんだ」という意識が強く、食べた気がしないかもしれません。しかし、次第に習慣として定着しますので、気にしすぎないことです。

各栄養素の注意点
栄養はバランスよく取るのが基本です。
糖質(炭水化物)、たんばく質、脂肪、ビタミンとミネラルの四つの要素については、注意がとくに必要とされます。
■糖質(炭水化物)
ごはんやパン、めん類、いもなどは、いわゆる主食と呼ばれています。人間が活動するためのエネルギーの主要な供給源です。
糖尿病患者は、普通の健康な人に比べると、糖質(炭水化物)の摂取量はかなり制限されますが、これを全く取らないと新陳代謝が円滑に運ばず、支障が起きるので、1日最低150グラムは必要です。

■たんぱく質
たんばく質は体の細胞をつくる役目をする、きわめて重要な成分です。1日に標準体重1キログラムにつき、1?1.5グラム必要とされていま
す。標準体重が60キログラムの人は、60?90グラム取る必要があるということです。
卵、牛・豚・魚などの肉、とうふなどに含まれています。必要量の三分の一は、利用効率の高い動物性たんぱく質を摂取してください。
また、成長盛りの子どもは成人の約二倍、妊娠中や授乳中の女性は1・5倍のたんぱく質が必要です。

■脂肪
必要な総エネルギーから、たんぱく質と糖類で充足する分を差し引いた残りのエネルギーを、脂肪から取ります。一日に何グラム取るかは決まっていませんが、糖尿病の食事では、一日に60グラムを超えないように工夫されます。脂肪は肥満につながることから、食べないようにすればいい、と考えがちですが、脂肪も、脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK)などを摂取するために欠くことはできません。バターや肉類に多い飽和脂肪酸は、動脈硬化につながりますので、大豆油など植物性脂肪を増やします。

■ビタミンとミネラル
ビタミン、ミネラル(カルシウムや鉄など)はエネルギー源にこそなりませんが、体を円滑に動かす潤滑油として、ぜひ必要です。合併症のある人やコントロールの悪い人はよけいに必要です。一日何グラムという決まりはありませんが、牛乳や野菜、小魚、海藻などに含まれますので、これらの食事を十分に取るようにしてください。
果物は果糖が多く含まれていますので、取りすぎないようにします。

「栄養素をバランスよく」というのは、以上のことからもわかるように、何もかも同じ分量にという意味ではありません。食事の50?60%を糖類から、20?30%をたんぱく質から、20?30%を脂肪から、というのがだいたいのめやすとなります。ビタミンとミネラルは取りすぎということはないので、野菜はできるだけ取るよう
にしてください。ですから、従来の「ごはんが主で、おかずが従」という食事ではなく、「多彩な品目からなるおかずが主で、ごはんが従」という食事になるよう心がけてください。

食品交換表
糖尿病の人は、医師から指示された所要カロリーを、糖質(炭水化物)、たんぱく質、脂肪をそれぞれ含む食品群から、バランスよく取らなければならないのですが、具体的にどの食品からどのように取ったらよいかを決めるには専門知識が必要です。食事は毎日のことですので、やはりバラエティに富んだものでないと飽きてしまいます。
日本糖尿病学会では、医師に指示されたとおりの栄養構成の献立を、好みに応じて自由に作成できるように、「糖尿病食品交換表」という本をつくっています。食事計画を実行していくうえでたいへん便利なものなので、ぜひそろえてください。この食品交換表は、食物を主成分と種類によって、六つのグループに分けています。同じグループには構成の似た食品が集められているので、好みに応じて取り替えて食べられる仕組みです。さらに、食品交換表には、調味料やアルコール飲料、ジュース類、ジャムなどが掲載されています。これらのなかには、食事療法を進めていくうえで障害となるものも多いので、摂取量については医師の指示を受けたほうがよいでしょう。

食品交換表

食品交換表

 

■砂糖の多い食品は避ける
砂糖を多く含んだ食品は食べるべきではありません。血糖値を急速に高めてしまう可能性があります。
また、砂糖以外の甘味料にも、同様な危険をもったものがあります。これも避けなければなりません。

【2014年9月18日 AFP】健康的とされる人工甘味料が、実際には糖尿病のリスクを高めている可能性があるとする研究論文が17日、英科学誌ネイチャーNature)に発表された。

■分けて食べよう

糖尿病は、インスリンの作用がト分でないのですから、一度にたくさんの量を食べると、インスリンの分泌が問に合いません。一回の分量を減らし、三食とおやつにバランスよく分けて食べてください。
また、日本人は夕食に最重点をおいていますが、体のためには、朝と昼の食事を充実させたほうがよいのです。

■食事ごとにバランスよく
各栄養素を食事ごとに分配する必要があります。とくに、一日に二回しか食事を取らないと、一度にたくさんのブドウ糖がi液中に流れ、一糖値が高くなりがちですので、気をつけてください。食事は計画的に分けて取らないと、コントロールを乱します。

■こまめに計量を
食事療法で大切な点は、食品交換表に示されている分量と照らして、正しい分・量を食べるようにすることです。したがって、最初のうちは、食べる量が正しいかどうか、いつもはかりで量ることです。いい加減な目分量は、カロリーオーバーのもとになります。指示された摂取エネルギー量を守るために正確な計量をしましょう。

■コントロールを乱す外食
サラリーマンなど外で働く人は、ついつい外食に頼ってしまいます。これがコントロールを乱すもとになります。
でされば、家庭で計算してつくられた弁当がよいのです。それが無理な人は、外食で食べそうな食品の栄養構成をあらかじめメモしておき、換算のうえ食べるように心がけ、一日の指示ほを守るようにします。
外食の多い人は次のことに注意してください。
①朝食を必ず取るようにする。野菜や牛乳を忘れずに。
② ざるそばごフーメン、おにぎりなど、糖質(炭水化物)ばかりの食事は避ける。
③油っこいものは避ける。
④めん類のスープは残す。
⑤毎ロメニユーを変え、偏りを防ぐ。
⑥ コーヒー、紅茶の砂糖は一日にスプーン1杯以下にする。
外食は野菜が少なく、脂肪分が多くなりがちです。野菜は一品追加して食べるとか、他の食事のときに、多めに取るようにしましょう。一度に食べるには多すぎる量のもの(たとえば、丼に盛られたごはんなど)は残すようにします。食事療法をしているときの外食では、いままで食べたことのない料理は避けるべきでしょう。

■アルコール
糖尿病患者でも、コントロールがうまくいき、合併症が出ていない人ならば、少量のアルコールは飲んでもかまわないのです。少量とは、1日2単位=160キロカロリー=日本酒1合弱・ビール中ビンー本弱以内という意味です。
しかし、アルコールの本当にいけないところは、飲んだ人は酔って気が大きくなり、ついつい、飲みすぎたり、食べすぎたりしてしまいがちになることです。普段、食事療法ということで、好きなものを食べたいだけ食べることかできない欲求不満が、お酒を飲んだときに爆発するのでしょうか。
また、アルコールには、エネルギーが高いことにより、コントロールを乱すという欠点もあります。一グラムで七キロカロリーというエネルギー量をもっており、カロリーを取りすぎやすく肥満のもとにもなります。ビール中ビンー本のカロリ
ーは、ごはんなら茶わんにかるく一杯に相当します。これは、清涼飲料水なら250ミリリットル缶2本弱に当たります。
このほか、日本酒やワイン、ビールには糖分が含まれていますので、食事療法を行っているのであれば、注意が必要です。
ですから、飲む習慣のある人は、アルコールの量に関しては、必ず医師に相談し、指示を受けてください。いままで、あまり飲む機会がなかったという人は、この際やめてしまいましょう。

運動療法

もう一つの治療の柱
日常生活のなかで体を動かすことが、体力を維持し体調を整えるのに大切なのはいうまでもありません。運動は、食事療法と並ぶ糖尿病の治療の柱です。
運動することによって、筋肉は血液中のブドウ糖を多く取り込みます。運動が、人間の体に必要なインスリンを節約してくれるのです。また、運動することは、眼中のコレステロールの量を減らしてくれます。糖尿病患者は動脈硬化や心臓病にかかりやすいので、体を動かし、コレステロールを取り除くことは患者にとって大切なことです。
ただ、運動による糖尿病への作用は、過程が複雑で、個人差もあります。どれはどの運動がどれだけの効果をもたらすかは、ケースによってさまざまなのです。原理もはっきり解明されてはいません。したがって、糖尿病患者の実際の運動内容は、医師の指示を受ける必要があります。
後の注意事項のところで述べますが、運動することが糖尿病に悪影響を及ぼす場合もあります。やみくもにたくさんの運動をするのではなく、少しずつ効果を確かめながら進めていくことが肝心です。
糖尿病患者が運動療法を行うとき、守るべき原則は次の三点です。
①毎日実施できる運動を選ぶ。
②適度な運動量にとどめる。
③自分自身の状態に合わせる。

毎日できる運動を
「私はゴルフをするから、これでいいだろう」と考える人もいるようですが、週に一度程度の運動では効果はあがりません。糖尿病治療のための運動は激しくなくてよいのですが、毎日少しずつしなければなりません。
もちろん、ゴルフがだめというのではなく、ゴルフ以外に、無理なく長続きする運動を行うことが大切だということです。
具体的には、歩くことを勣める医師が多いようです。これは、特別な用具も要らず、毎日、一人でもできて、手軽だからでしょう。
このほか、ジョギング、縄跳び、サイクリング、ダンス、水泳などは消費エネルギーが多く、全身運動でもあり、糖尿病治療に適した運動といえます。これらの運動の中から自分が好きなものを選びましょう。自分が楽しみながら、熱心にできることが大切で、これが運動を長続きさせるコツといえます。
ボウリングや野球などはエネルギーの消費が少なく、動かす部分が体の一部に偏るので、適切とはいいかねます。
特別な施設を必要とするものや、仲間がいなければできないもの、勝負にこだわりがちなもの、激しいものも向いていません。通勤の際に、行きに30分程度、帰りに30分程度、持続して歩くようにすることでもかまいません。バスに来るのをやめて歩く、一駅前で降りて一駅区間歩く、階段は歩いて上る、などを実行してみてはどうでしょうか。
一日のいつごろ、どういう運動を行うのかは、自分の生活習慣に照らして、決めましょう。

適度な量を
糖尿病の治療として運動を行う際には、日常生活の中で、毎日決まったことを行うのが一般的です。
歩くにしても、朝夕二度、一回三〇分程度でよいのです。歩きすぎて疲労してしまうのはいけませんが、運動として行うのですから、できるだけ速足で歩くことです。
ただし、運動をしなれない人やお年寄りは、ゆっくり歩くことから始めましょう。それも、最初は10分程度から始め、1ヵ月くらいかけて、30分の運動にするようにします。
糖尿病に運動がいいからといって、むやみに激しい運動をする人もいますが、これは考えものです。糖尿病の運動療法に適さない運動もあります
し、実施する方法が不適切であれば、効果はあがりません。
適切な運動量は、脈拍が1分間120を超えないくらい、100?110くらいがめやすといわれています。万歩計をめやすとするなら、1日1万歩が目標です。
これはあくまで目標で、いきなりはつらいと思いますが、ここで一日の具体的な運動時間を次ページにあげておきます。
ラジオ体操を一日一時間するというのは、非現実的ですので、ほかの運動と組み合わせて行うとよいでしょう。

自分の状態に合わせて
糖尿病の運動ブログラムには、万人共通なものはありません。症状や家庭環境、社会環境などの個人差が著しいので、だれにでも合うものをつくるのは不可能です。したがって、患者は自分に最適な運動ブログラムを、医師と協力して自分自身で作成しなければなりません。
プログラムを開始するには、糖尿病がうまくコントロールされていなければなりません。ですから、開始にあたっては、医師に相談することが不可欠です。
大事なことは、糖尿病も含めて自分白身の体の状態を把握することです。心臓や肺、膝や足などに病気がないか、調べてみましょう。もしあるなら可能な運動も限られてきます。糖尿病にいくらよくても、そのために他の病気が悪化してはなんにもなりません。
また、年をとっていると、動脈硬化を起こしたり、骨がもろくなったりしていますので、無理は禁物です。新しい運動を始める前に、ヘルスチェックを受けましょう。
その日そのロの、自分の調子を見極めることも必要です。コントロールの悪い日は無理する必要はありません。低血糖やケトーシス(体内に多量のケトン体が蓄積した状態)をまねくおそれがあります。
合併症を起こしている人は、運動をする際に細心の注意が必要です。たとえば、張り切ってジョギングを始め、マメをつくったりしますと、化膿からえそに至るということもあります。
それに、体を動かす仕事をしている人や、毎日ジョギングを日課としている人と、運動経験が全くない人とでは、当然運動のしかたが変わってきます。仕事として体を動かしている人は、あらためて運動療法をする必要はないでしょう。もしするのであれば、普段あまり使用しない筋肉を使う体操などがよいと思われます。

細心の注意を
■運動をしてはならない人
血糖が非常に高く、ケトン体が出た糖尿病患者は、運動することによって症状が悪化しますから、運動をしてはいけません。
このほか、増殖性網膜症を合併している人も絶対してはいけません。眼底出血を起こし失明する危険があります。重い物をもってもいけません。糖尿病性腎症を併発している場合も、病状を悪くする可能性があります。

■食事一時間後が運動開始によい
血糖値は食後30?60分がいちばん上昇率が高くなります。このときに運動をすれば、血糖値を大きく低下させることができます。
空腹時に運動をすると低血糖を起こすことかあります。低血糖とは血液中の血糖値が異常に低くなった状態です。激しい運動をしている人(しなければならない人)や、薬物療法をしている人は、食後一時間たってから運動を始めることを絶対に守ってください。

■I型の人の運動療法
I型糖尿病の人は、運動によって低血糖を引き起こす危険があります。
血糖値は食事前にもっとも低くなりますから、食分前の運動はすべきではありません。どうしてもというときは、果物やフルーツジュースのような糖質(炭水化物)食品を、運動前に1から2単位食べておくべきです。一日中運動する場合は、30分から60分おきに間食し、エネルギーを補給します。また、いつもの運動より激しい運動を行うときには、前もって間食を取りましょう。激しい運動をすれば、運動の後にも低血糖を起こす可能性があります。パンやごはんなどの糖質(炭水化物)の多い食品をたくさん取ることです。
つまり、I型の人の場合は、突然激しい、通常していなかった運動をすることは避けたほうが無難ということです。とくに子どもの場合は、自分で運動の量をコントロールすることができにくいものですから、気をつけてやる必要があります。コントロールが思わしくないときは、運動することは避けるべきです。

薬物療法

インスリン療法

糖尿病の薬物療法には、インスリンを注射するインスリン療法と、飲み薬を使う内服薬療法があります。
インスリン療法は、体内で不足しているインスリンを補うもので、患者自身が自分で注射します。
内服薬療法の薬は、経口血糖降下剤といい、膵臓を刺激しインスリンをつくるのを劫けるもので、インスリンそのものではありません。
I型糖尿病の患者は、自分でインスリンを製造する能力がほとんど欠如しているので、インスリン注射なしでは、生命の危険があります。内服薬はインスリンではないので、このタイプの患者には内服薬は効きません。インスリン注射を行うことによって、血糖値を下げ、糖尿病性昏睡を防ぐことができます。
Ⅱ型糖尿病の人でも、内服薬によってコントロールできないときや、急性の合併症を起こしたとき、インスリン療法を行います。ただし、Ⅱ型の治療の基本は、食事療法と運動療法であって、これらの療法で血糖値が下がるならば、内服薬もインスリン注射も必要ありません。
よくインスリン注射を続けると、膵臓のインスリン分泌力が衰えるのではないか、と心配する人がいますが、医師の処方を守っていれば大丈夫です。

インスリンの種類
インスリン製剤の多くは、これまでウシやブタ、ヒツジの膵臓から抽出されてきました。インスリンの構成は少しずつ違うのですが、働きに違いはありません。また、最近は、ヒト・インスリンが生産できるようになりました。
インスリン製剤は、作用する時間から次の三種類に分類されています。
①速効性インスリン
②持続性インスリン
③中間インスリン
速効性インスリンは、早く作用しますが、持続時間は短くなっています。糖尿病性昏睡などで、血糖値を急速にドげたいときに使用します。レギュラーインスリン、セミレンテインスリン、アクトラピッドインスリンなどの種類があります。持続性インスリンには、ウルトラレンテインスリンなどの種類があります。なかなか作用が現れませんが36時間の長時間にわたって効果があります。しかし、作用時間が三六時間と日常生活にあまり適さないこともあって、最近はあまり使われません。インスリンにたんぱく質などを加え、吸収時間を延長させてあります。
中間インスリンはこの二腫の中間の性質をもつもので、二四時間効きます。レンテインスリン、モノタードインスリンなどがあります。
このほか、二相性といって、速効性と持続性の混合タイプがあります。効果の強い時期が二回に分けて現れます。
医師は、各患者の病状や生活習慣を考えて、適当なインスリンを選びます。もっともよく使われるのは、二四時間効くことから、中間タイプのインスリンです。最大の効果は注射後8?12時間で現れます。

■注射する場所と時間

インスリン注射は、毎日のことですから、自分で行います。初めは、「素人である自分が注射するなんて」と不安でしょうが、すぐに安心して打てるようになります。
注射を打つ場所は図に示しました。打つたびに場所を変えましょう。同じところに打ち続けると、皮膚が硬くなることがあります。
注射時間は朝食前が多いようです。毎日決まった時間に行いましょう。医師の指示を守ることが大切です。作用時間が長ければ、一日一回の注射ですみますが、長時間にわたって血糖を下げますので、一回でも食収″を抜くと、血糖がドがりすぎます。
一目一回の注射で不十分な場合は、朝夕二回になります。
なお、注射をしたから入浴してはいけないということはありません。

注射のしかた
打ち方は、皮下注射といい、皮膚をつまんで皮膚の下に打ちます。筋肉に打ってしまってもさしつかえありませんが、静脈には打たないようにします。血管に針が入ると、血液が注射器筰に入ってくるので、静脈に打っているかどうかがわかります。もし静脈に針を入れてしまったら、場所を変えてやり直しましょう。
ただし、注射後に激しく動かす場所に注射しますと、インスリンの吸収が早すぎて長時間作用しなくなります。ジョギングするのであれば、太股は避けて注射します。
注射の手順を次に示します。
①手を洗い、その後、予と注射筒所を消毒綿でよく拭く。
②皮膚をつまみ、注射する。場所は前日打ったところから数センチは離す。
③注射した場所はそのままそっとしておく。
もまないほうがよい。
また、食事時間を正すことも大切です。食事時間が乱れたり食事を抜いたりすると、低血糖になるおそれがあります。

適正な量を守る必要もあります。注射しないのがよくないのはもちろん、量が多すぎても血糖を下げすぎ、低血糖のおそれが出てきます。

■注射器具についての注意
注射の際には、できるだけ痛みを少なくしたいものです。それには、針は新しく、そして細いものを使うことです。打つ場所としては、ない日、少しずつずらして、同じ場所ばかりに注射しないことです。上腕の外側や脇腹、太股の外側が神経が少なく、痛みをあまり感じません。
インスリン注射をしている患者のなかには、発疹を起こしたり、腫れたりというアレルギーを示す人もいます。インスリンの純度を高いものに変えるとよいでしょう。現在は、インスリン注射液と使い捨て注射影に健康保険が適用されます。
インスリン注射液は、暑さが苦手ですので、冷蔵庫に保管してください。ただし、効果が落ちるので、冷凍室には入れないでください。

内服薬療法
内服薬は経口血糖効果剤ともいいます。インスリンそのものではなく、主に膵臓に働きかけてインスリンの分泌を助けたり、肝臓からのブドウ糖の分泌を減らしたりする薬です。したがって、初めからインスリンの分泌能力の欠如したI型の糖尿病患者には効果がありません。
スルフォニール尿素剤という薬がよく使われ、効果や作用時間の違う種類が開発されています。
注射を毎日しなければならないインスリン療法に比べ、内服薬は1日1?3回飲むだけでたいへん手軽ですが、インスリンそのものではありませんし、糖尿病を完全に治してしまうものでもありません。もちろん、多駄に飲めばそれだけ効果的というものでもありません。
内服薬は、食事療法や運動療法で血糖値がなかなか下がらないケースで使われます。内服薬を使用するようになると、食事療法や運動療法をいいかげんにしてしまいがちですが、食事療法と運動僚法は続けなければなりません。内服薬はあくまで、食事療法と運動療法を補完する役目なのです。
この内服薬は飲みすぎると、血糖値を下げすぎる場合もあります。スルフォニール尿素剤ではほとんどありませんが、薬によっては副作用が起きる場合があります。ですから、一般に内服薬の使用頻度は減る傾向にあります。使用する際は、医師の指示を厳密に守ることが不可欠です。
とくに注意が必.安なのは、薬の効きすぎによる低血糖です。ふるえ、頭痛、冷や汗、めまい、動悸などの低血糖の初期症状に注意してください。
危ないと思ったら、砂糖や果物を取り、糖分を補給しましょう。
この低血糖は、インスリン注射や内服薬の量が多すぎたときに起きます。また、食事を抜いたとき、あるいは急激な運動も原因になります。食事が取れなかった場合は、薬の量を減らしましょう。

血糖値を調べよう
糖尿病治療の重要な目標の一つは、血糖値をでさるだけ正常な状態に近く保つことです。そのためには、毎日、自分の血糖値を調べる必要があります。この検査をモニタリングといっています。このモニタリングによって、自分の治療が正しく行われているかどうかがわかります。
一糖値の検査には、尿糖を調べる方法と血糖を調べる方法とがあります。
普通の糖尿病の場合は、尿の検査だけで十分です。血糖の検査が必要になってくるのは、I型の糖尿病患者や妊婦などの場合です。どちらの検査を行うのがよいかは、担当医の指示に従ってください。この血糖の自己測定は、尿から調べる方法よりは多少面倒ですが、やはり家庭で困難なく行える方法です。

血糖値の自己測定

血糖値の自己測定

 

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