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睡眠薬と精神安定剤 1章

      2015/08/27

まず、不眠とは?

なぜ眠れないのか

まず、第1章では、初めに「なぜ眠れなくなってしまうのか」についていろいろなケースか
ら検討し、不眠の原因とそのしくみについてみていきましょう。

昔は不眠でひどく苦しむ人はそう多くなかったのですが、今や人間の自然な生理現象のひとつである睡眠さえも離まれる時代を迎えたといってよいかもしれません。最近では、日常生活のなかで、夜眠れない「不眠」という言葉を耳にする機会も多くなってきています。

たとえば、日中にとても嫌なことがあり、そのことを考えるとなかなか寝つけないといったことは誰でも経験する不眠です。このようにささいなストレスから生じる不眠もあれば、夜間の騒音などによる不眠、ぜんそくなどの体の病気が原因となって起こる不眠、うつ病などの心の病による不眠などもあります。

このように不眠の原因は多様であるといわざるを得ません。確かに不眠は誰でも一生の間に何度かは経験するものです。その不眠が数日で改善されればよいのですが、なかには不眠が続き、悩み苦しむ方も徐々に増えてきています。

現代社会のストレス状況を考えると、その数が増えることはあっても決して減ることはないように思います。では、なぜ人間は眠れなくなるのでしょうか。
人間が眠れない原因はさまざまですが、まず、そうした不眠の原因を整理し、ひとつひとつ検討していきましょう。

不眠の原因

不眠の原因

①心理的な原因による不眠
人は誰でもひとつやふたつは心に不安を抱えているものです。心のなかに存在する不安が強くなり、気にしないように努めても、頭のなかにその心配事が湧いてきて、寝っけなくなったり、眠れなくなることがあります。このような不眠の多くは一時的なもので、たいていの場合は、数日で眠れるようになります。

しかし、心配事の内容によっては、そう簡単に解決できないものもあるため、さらに不安が増し、不眠が続くこともあります。そのような場合は、睡眠薬を用いた薬物治療が望ましいこともありますが、多くの方は睡眠薬を飲んでまで安眠を得ようとは考えないので、よい手立てもないまま、不眠の状態をただがまんしていることが少なくありません。

②心の病による不眠
心の病にはさまざまなものがありますが、その多くは、初期症状として不眠を伴うことがあります。逆にいえば、不眠が数週間も続くような場合、心の病が隠れている可能性も考えられます。
—-たとえば、幻覚や妄想が現れる統合失調症(精神分裂病)、気分の落ち込みや意欲の喪失を示すうつ病やうつ状態、突然心臓がドキドキしたり、息苦しくなったりする不安障害などがあります。
このような症状がみられる場合は、専門医を受診して、適切な治療を受けることをおすすめします。

③身体的な原因による不眠
体の病気を患った場合も不眠に陥ることがあります。たとえば、夜間に激しい痛みやかゆみがあれば、熟睡できませんし、ぜんそくなどのように発作が起こる体の病気では、睡眠途中に目覚めることもあります。

また、生活習慣病と呼ばれる病気でも不眠が起こる場合があります。たとえば、糖尿病や心筋硬塞なども生活習慣病ですが、糖尿病患者の約30%、心筋梗塞患者の約20%には不眠がみられるという報告があります。病気の症状としてだけではなく、身体的な病気の存在そのものが不安を生み出し、不眠の原因になることもあります。

④環境要因による不眠
日常生活の環境による不眠も多くあります。
たとえば、高速道路の近くに住んでいる人などは、夜間も車の走る音がうるさくて眠れないこと
がよくあります。その環境に慣れ、ふだんは気にならなくなって眠れるようになっても、情緒的に落ち着きがないときなどは、環境に反応してしまい、眠れなくなってしまうこともあります。

また、マンションやアパートの上の階の人の足音が気になって眠れないなど、環境要因による不眠は決して少なくありません。そのほかに、いっしょに眠っている人の歯ぎしりやいびきが気になって眠れない、熱帯夜などは暑すぎて眠れない、照明が明るすぎて眠れないなどの環境要因も不眠の原因になることはいうまでもありません。

⑤ストレスと不眠
現代は「ストレス社会」といわれるほど、至るところにストレスが鍵延しています。それは、ストレスという言葉がごく日常的に使われていることからも明らかです。ストレスには実にさまざまなものがありますが、そのなかでも対人関係で生じるストレスは精神的疲労を起こしやすく、知らないうちに人の心をひどく触んでしまうことがあります。

ささいなストレスから生じる不眠でも、数日で解決できればよいのですが、心身まで侵してしまう不眠もあります。ストレスを避けて通ることはできませんから、むしろ、ストレスといかにうまくつきあうかを考えたほうが賢明かもしれません。不眠が続く場合は専門医に相談するのも解決の早道といえるでしょう。

⑥その他の原因
コーヒーなどカフェインを多く含む嗜好品の多量摂取によって眠れなくなることもあります。また、病院のナースやコンビニエンスストアの店員のように不規則な夜間勤務を続けなければならない人や、国際線の乗務員のように時差ぼけを騙繁に繰り返す環境におかれている人などは、本来なら人間が眠るべき時間帯に仕事をしているわけですから、不眠が生じるのは当然です。不眠に陥らないほうが不思議なくらいです。

不眠にはさまざまなタイプがある

「不眠」とひと口にいっても、不眠のタイプにはさまざまなものがあります。たとえば、寝つきはよいものの、途中で何度も目が覚めてしまい、一度目を覚ますと朝まで眠れなくて困るという人もいれば、一度眠ると朝までぐっすり眠ることができるのに最初の寝つきが悪くて困っているという人もいます。

不眠のタイプはその原因によって大きく変わる可能性がありますし、同じタイプの不眠であっても頻度やその強さには個人差があります。ですから、不眠のタイプ、不眠の頻度や強さなどによって、不眠のレベルはさまざまだといえるのです。しかも、さらにここに性格要因が関係してきます。ちょっとした不眠でも、とても苦痛に感じる人もいれば、少々の不眠が生じても気にし
ない人もいます。

なかには不眠をずっとがまんしている人もいるわけです。ずっと耐えているうちに、不眠に慣れてしまい、眠れないことが普通になってしまった人もときにみかけます。
ある人はそれが原因でアルコールに依存し、アルコールがないと眠れないという状態に発展してしまう場合もあります。
では、こういった不眠のタイプを分けてみてみましょう。

①比較的よくみられる不眠のタイプ

⑴熟眠感の欠如

「眠った気がしない、眠っていないと感じる」
実際はよく眠っているのに「眠った気がしない」とか「眠っていない」と訴える人が意外に少なくありません。眠ったかどうかは、本人が一番よく知っているはずだと思いがちですが、必ずしもそうではありません。睡眠には、眠りが浅い「レム睡眠」と眠りが深い「ノンレム睡眠」があります。そして、ノンレム睡眠には睡眠段階が1から4まであります。

レム睡眠とノンレム睡眠

レム睡眠とノンレム睡眠

睡眠段階1はきわめて浅い睡眠であり、眠気を感じて少しうとうとしている状態がこれにあたります。そのために睡眠段階1では、本人は眠っていると自覚できないことがしばしばあります。もしある人が、睡眠段階1や2の浅い睡眠を繰り返していたとすると、その人は眠ったという感覚を強くもてないかもしれません。

また別のタイプとしては、本人は「全然眠っていない」と訴えるのですが、家族に聞くと実際は寝息をスースーとたてて眠っているということもしばしばあります。このような場合も脳波などの生理学的手段で検査をすれば、間違いなく眠っているのです。このように眠っているにも関わらず、本人は眠っていないと訴えるのは一体どういうことなのでしょうか。

実際は眠っていたとしても「眠った感じがしない」「眠っていない」と訴える、いわゆる熟眠感の欠如などを訴える人は、一睡もしていないといっているのではなく、「眠った感覚がない」と訴えているのです。つまり、自覚的には眠った感覚がなく、不眠の感覚しか残っていない状態なのです。別の見方をすれば、この種のタイプの不眠で悩んでいる人の場合、実際に眠ったかどうかよりも、主観的によく眠れたかどうかが重要な点なのでしょう。熟眠感の欠如を訴える人の場合は、睡眠薬による薬物治療を行わないほうがよいこともあります。自覚がないにしろ実際は眠っているので、あえて睡眠薬を使ってまでも熟眠感を感じさせる必要性があるのか疑問です。

⑵入眠困難

「寝つきが悪い」
不眠症のなかでもっとも多いのが、「寝つきが悪い」というタイプの不眠症です。小さな子どもであれば、ベッドに入ったかと思うと、数分後にはスースーと眠ってしまいます。大人でもすぐにいびきをかいて眠る人がいます。その一方で、ベッドに入っても、いろいろな考えが浮かんできてなかなか眠れないこともあります。

このような経験は誰にでもあることだと思います。日中にとても気になる出来事があったり、精神的に苦痛を強いられるようなことがあれば、ベッドに入った後、自然に頭のなかに気になることが浮かんでくることがあります。日中は何かに熱中していて忘れていても、眠ろうとしたときにもっとも気になることが頭に浮かんできやすくなるからです。

⑶中途豐醒

「夜中に目が覚める」
中途覚醒とは言葉どおり、寝つくのは問題ないのですが、夜中に途中で目が覚めて困るという不眠症です。
もちろん誰でも、屋外の騒音などで起こされたり、尿意をもよおして目が覚めることがあります。そういう中途覚醒ならたいした問題ではない可能性が強いのですが、何ら中途覚醒を引き起こす環境要因などがないにも関わらず、睡眠の途中で覚醒してしまい、一度目が覚めると眠れない状態になるのがたいへん困るわけです。

⑷早朝覽醒
「朝早く目が覚める」
いつもは6時間から8時間は眠れる人が、4、5時間しか眠れずに朝早く起きてしまうことがありますが、これは「早朝覚醒」と呼ばれる不眠症のひとつです。早朝覚醒は先に述べた「中途覚醒」と同時にみられることがあります。つまり、ベッドに入って3、4時間しかたっていないのに途中で日が覚めて、その後さっばり眠いというように中途覚醒と再入眠困難の状態が同時に起きれば、それは早朝覚醒に近い状れない早朝覚醒はお年寄りにみられやすい不眠症のひとつです。

高齢になればなるほど睡眠時間が短くなる傾向にあるため、それだけ朝早く目が覚めやすく、早朝覚醒のタイプの不眠症に陥りやすいのです。

また他の不眠症と同じように、早朝覚醒もさまざまな心の病によって引き起こされることが
あり、中途覚醒と同様に、うつ病にみられやすい不眠症のタイプのひとつです。
以上が比較的よくみられる不眠のタイプですが、特殊な不眠もいくつかありますので、以下に紹介します。

②特殊な不眠のタイプ

⑴睡眠時無呼吸
「眠っているときに呼吸が止まってしまう」眠っているときに呼吸が数十秒間完全に止ま
ってしまうことがあります。この状態は、隣でいっしょに寝ている人が発見して、「睡眠時無呼
吸」の存在を疑い、専門的な検査によって診断がつくことがあります。眠っている最中に起きる出来事なので、本人、まさか睡眠中に呼吸していないときがあるなどとは夢にも思ってません。発見されるまでは当然自覚もなく、最初は「冗談だろう」「からかっているんだろう」と思ってしまうかもしれません。

こうした睡眠中の呼吸の一過性の停止に加え、昼間に強い眠気を伴うこともあります。過度の肥満者にみられやすいという特徴があります。専門的には「睡眠時無呼吸症候群」と呼び、必ず治療を専門医に相談するようおすすめします。

⑵金縛り(ナルコレプシーも含めて)
「目覚めているが、体を動かせない」
金縛りは、不眠とは関係のない人にもみられる生理現象のひとつです。たとえば、夢遊病は脳が眠っているのに体は覚醒している状態ですが、金縛りは逆に脳が覚醒しているのに体は眠っているという状態です。いずれも体と脳の覚醒レベルが一致していないときに生じる状態です。金縛りになると、脳が覚醒した状態にあるも関わらず、体を思うように動かすことができません。そのために一過性のパニック状態になる人も少なくありません。

これとは別に「ナルコレプシー」という睡眠障害があります。ナルコレプシーとは、突然に耐えがたい眠気に襲われ、眠り込んでしまう「睡眠発作」、覚醒時に全身あるいは一部の筋肉が麻痺する「脱力発作」、目が覚めているのに体を思うように動かせない「睡眠麻痺」(これが金縛りに近い状態)、寝つくかどうかという時期に幻覚とも夢とも区別がつかないような体験をする「入眠時幻覚」などの症状がみられます。

⑶過眠
「眠りすぎて困る」
睡眠障害のほとんどは不眠ですが、ごくまれに眠りすぎて困るという方がいます。確かに周期的に傾眠傾向に陥る「周期性傾眠症(しゅうきせいけいみんしょう)」という睡眠障害が存在しますが、眠ることができているわけですから、この状態に悲観することはないと思います。このような特殊な不眠の場合は、薬による治療のほかに、原因となっている体の疾患の治療や、精神疾患への対応が必要になるものがあります。

睡眠のメカニズム

第1章不眠とは

では眠っているとき、体は一体どのようになっているのでしょうか。

①睡眠中、眼球が左右に激しく揺れ動いている

欧米では睡眠研究が精力的に行われてきました。1953年にシカゴ大学のアセリンスキーとクライトマンが、人間が眠っているときに、突然眼球が左右に急速な動きを示すことを発見しましたが、この発見も睡眠研究にとって、非常に大きな転機になりました。眠っている間に、目が左右に激しく揺れ動くこの急速な眼球の動きは、急速眼球運動(REM,RapidEyeMovement)と呼ばれました。

そして、この急速な眼球運動が起こっている時期の睡眠は、英語の頭文字をとり、レム(REM)睡眠と名づけられました。さらに興味深いことに、このレム睡眠が現れる時期に人間は夢を見ているということが後に発見され、レム睡眠は夢を見る睡眠と考えられるようになりました。これに対して、それ以外の夢を見ない睡眠はノンレム(Non-REM)睡眠と呼ばれるようになりました。

このように睡眠は夢を見るか見ないかで、レム睡眠とノンレム睡眠に分類されることがわかり、その後の睡眠研究にとても大きな刺激になりました(レム睡眠とノンレム睡眠にしかしながら、この画期的な発見を疑う人も少なくなかったようです。レム睡眠中に、閉じているまぶたの下で急速眼球運動が激しく起こっており、そのとき人は夢を見ているということは、今でこそ医学の世界では常識的な事実として認識されていますが、その当時の人たちにしてみれば、信じがたいことだったのでしょう。

たいていの人は、「どうして眠っているのに眼球が激しく動くのだろうか」と不思議に感じるはずです。人は目を開けて眠ることはまずありえないので、身近な睡眠という生理現象のなかに、このような隠された事実があるとは、誰も考えていなかったのでしょう。

ノンレム睡眠とレム睡眠の違い

ノンレム睡眠とレム睡眠の違い

ノンレム睡眠とレム睡眠の違い2

ノンレム睡眠とレム睡眠の違い2

②睡眠と脳のしくみ

脳のなかには、睡眠・覚醒リズムをコントロールする部位が存在します。睡眠の研究と並行して、脳の機能に関する研究もさまざまな研究者によってなされてきました。

人間の脳

人間の脳

人間の脳は、解剖学的にみれば、大脳、小脳、脳幹、聞脳などに分けることができます。

大脳のなかでも大脳皮質と呼ばれる部位は、脳のなかでもっとも大きく、前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉、大脳辺縁系などから構成され、認知や思考などの精神機能の働きを司っていることがわかってきました。この容積のもっとも大きい大脳皮質を脳とイメージしている方が多いように思います。

中脳、橋、延髄、間脳(視床、視床下部)から構成される脳幹は、意識、知覚、情動、自律神経機能、内分泌機能などに密接に関連していることもわかってきました。

脳幹部のなかに脳幹網様体と呼ばれる部位があります。ここから上行して大脳に向かう経路を上行性毛様体賦活系といい、この経路が覚醒状態の維持に深く関与しています。

脳幹網様体

脳幹網様体

これに対して、大脳辺縁系と呼ばれる部位は、人間の本能に関連する行動を司っています。さら、人間の記憶や情動などのきわめて複雑な機にも密接な関連性を有しているともいわれてます。

脳のなかに視床下部と呼ばれる部位がありますが、この部位はノンレム睡眠と関係があるといわれています。これよりもう少し下のほうに位置するのが先に述べた脳幹網様体で、この部位は、夢を見るレム睡眠に関連するといわれています。

ある研究では、レム睡眠には青斑核(せいはんかく)と呼ばれる脳の部位で産生されるカテコールアミンという物質が、ノンレム睡眠には橋の縫線核(ほうせんかく)のセロトニンという物質が、それぞれ関連があると報告されています。カテコールアミンやセロトニンなどは、いずれもアミンと総称される物質ですが、これらが視床下部やそれより上部にある脳に送られて睡眠・覚醒のリズムが形成されていると考えられています。

③眠りを引き起こす睡眠物質
最近の睡眠研究では、眠りを引き起こす睡眠物質の探索が精力的に行われ、学術的なトピックスのひとつになっています。すでに述べたように、脳幹網様体と呼ばれる脳の部位は、覚醒状態を維持するという、人間が生命を維持するうえでとても重要な役割を担っています。

たとえば、音、光、痛みなどの外部からの感覚刺激は体性感覚神経と呼ばれる知覚神経を通過し、脳幹部に達します。ここで脳幹網様体を興奮させ、上行性脳幹網様体賦活系を介し、大脳皮質に向かいます。これらの一連のプロセスで覚醒状態が維持されているわけです。その一方で、大脳皮質から脳幹網様体を興奮させ、コントロールする経路も存在します。
これらの覚醒維持に関係する経路の活動性が低下してくると、睡眠系を司る脳幹部や視床などの活動性が高まり、さらに中脳から延髄にかけて存在する縫線核からはアミノ酸が、神経細
胞からはセロトニンと呼ばれる物質が放出されて睡眠が始まるのです。

脳波でわかる睡眠

脳波を調べれば、睡眠の状態を把握することができます。人間の脳波は、安静覚醒時にはアルファ波がよくみられ、眠るとシータ波やデルタ波が多量に出てきます。睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠を合わせて約%分を一周期とし、通常これをひと晩に4、5回繰り返します。

①脳波でわかる睡眠の状態
脳波検査は、脳の神経細胞の電気活動を記録する検査法です。この検査法はドイツのバーガーが1929年に開発しました。脳波検査では、まず最初に頭皮上のいくつかの位置に電極を装着します。そして、そこから導き出される電位を継時的および連続的に測定し、それを脳波記録用紙に波形グラフとして表現します。

脳波と睡眠

β波=ベータ波 α波=アルファ波 θ波=シータ波 δ波=デルタ波

※眠っているときはシータ波やデルタ波がよくみられる。
逆に、起きているときはアルファ波がみられる。

脳波から、周波数(波の速さ)や振幅を測定したり、波の形や出現部位を同定したりして評価を行います。
最近では、脳波のデータをパソコンに記録し、いつでも再生できるようになっています。脳波を検査すれば、人間が眠っているかどうかを簡単に判定できます。もし脳死状態になれば、脳波は出現しないので、脳死の判定にも役立ちます。病気の判定では、てんかんの存在が疑われるときで、診断に際して脳波はとても重要な情報を提供してくれます。

最近では、脳のなかの状態を視覚化できるさまざまな優れた検査法が開発されていますので、ひと昔前ほど脳波検査の価値があるわけではありません。しかしながら、睡眠の状態を把握するには脳波検査が必須の検査法であることに変わりはありません。脳波検査をすると、安静覚醒時はアルファ波がよくみられます。アルファ波は8〜13ヘルツの波です。アルファ波以外には、波の速いべータ波、波の遅いシータ波、デルタ波があります。べータ波は13〜35Hzくらい、シータ波は4〜8Hz、デルタ波0.5〜4Hzくらいの速さです。人間が眠ると、シータ波やデルタ波のような遅い波である徳波が多量に出てきます。

では、その脳波と睡眠の関わりについてみていきましょう。
ノンレム睡眠では、睡眠段階は1から2、3、4とだんだん深くなっていきますが、この4段階の睡眠ステージのなかでも、とりわけ睡眠段階3、4には、この徐波がかなり多量に出てきます。逆にいえば睡眠中の脳波を調べたとき、脳波のなかにこれらの徐波が多量に含まれた時点が、睡眠段階3、4の深い睡眠に入ったという目印のひとつになります。
これに対して、夢を見るレム睡眠は浅い睡眠であり、ノンレム睡眠の睡眠段階1に近い脳波所見を示します。つまり、レム睡眠時には遅い波である徐波の現れる割合が低く、アルファ波などの覚醒時にみられやすい脳波も混在した脳波所見を示します。

睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠を合わせて一周期(サイクル)約90分前後です。人間は1回の睡眠でこのサイクルを4、5回繰り返します。たとえば6時間眠ると、4回のサイクルの睡眠だったということになります。そして、睡眠の前半部分(入眠後の数時間)はノンレム睡眠優位の睡眠パターンを示しますが、後半部分(覚醒前の数時間)は夢を見る睡眠(レム睡眠)が優位になります。

つまり、明け方になればなるほど、夢を見ている睡眠の確率が高くなります。「夢を見た」という人は、明け方のレム睡眠時に見た夢を、目覚めた後にも覚えていたということを意味します。「夢を見なかった」という人はレム睡眠がないのではなく、夢を見ていたとしても、日覚めた後にその夢を覚えていないということを意味しています。

②睡眠の約20%は夢を見るレム睡眠
レム睡眠は睡眠時間全体の約20%前後を占め、ノンレム睡眠は残りの約80%前後を占めることがわかっています。つまり、睡眠のうち約5分の1は夢を見ていることになるのです。すでに述べたように、ノンレム睡眠は、眠りの浅い睡眠から深い睡眠まで4段階に分けることができます。

睡眠パターン・睡眠段階

睡眠パターン・睡眠段階

人間の眠りは、まずノンレム睡眠のもっとも浅い段階である睡眠段階1から始まり、睡眠段階2、3、4と徐々に深くなっていき、まもなく夢を見るレム睡眠に移行します。ノンレム睡眠の1から4までの各段階の睡眠には、それぞれ特徴があります。睡眠段階1は、もっとも浅い睡眠の入り口であり、わずかの刺激で容易に目を覚まします。眠くなってうとうとしているときが、この睡眠段階1にあたり、この段階では、本人は眠っていると感じていないことがしばしばあります。睡眠段階1は睡眠全体の10%未満です。

睡眠段階2は、4つの段階のなかで一番時間の長い睡眠ステージです。そして3、4と段階を追うごとに睡眠はさらに深くなり、睡眠段階4でもっとも深い睡眠に至ります。なお、若い人ほど睡眠段階4は多く出現し、高齢になればなるほど少なくなります。したがって、年をとるにつれて深い眠りにつく時間が減少し、睡眠時間も短くなるのです。いいかえれば、若い人ほど、質的にも量的にもより好ましい睡眠がとれているということです。

レム睡眠は夢を見る睡眠です。先に説明したように、レム睡眠中は脳は休まずに働き、夢を見ています。その代わりに体が休息をとっていますので、全身の筋肉はだらりと地級した状態になっています。これに対して、ノンレム睡眠中は脳は休みをとり、反対に体は休んでいないため緊張した状態で、レム睡眠のように筋肉がだらりとしていないことが多いとされています。レム睡眠中は、うとうととした浅めの睡眠状態にあるので、ささいな刺激で覚醒します。

心地よい睡眠に向けて睡眠薬と精神安定剤を利用する

ここまでお読みいただいぜ不眠になるのかというその原因や、不眠にはさまざまなタイプがあること、さらに睡眠のメカニズムまでをご理解いただけたと思います。では、このような不眠の悩みを解消するためには、どうすればよいのでしょうか。

まず、薬物治療で解決できるものはがまんしないで、医師に相談し、適切な治療薬を処方してもらいましょう。睡眠薬や精神安定剤については、とかく不確かな情報が広まりがちで不安がもたれていますが、適切な睡眠薬や精神安定剤を用いて不眠症状を速やかに改善し、快適な日常生活を取り戻すことが大切です。

睡眠薬・精神安定剤への間違ったイメージ

精神科や神経科に限らず、内科や外科、産婦 人科などをはじめとした医療機関では、数週間 も不眠症が続く患者さんを診た場合、多くの医 師は睡眠薬を用いた薬物治療を考えます。

ところが一般の方々は、睡眠薬や精神安定剤 に対してマイナスイメージを抱いていることが 少なくないように感じます。睡眠薬や精神安定剤というと、「精神的に異常をきたした人が飲む 薬」「飲み続けると依存症になる」などと考える 人も多いようです。 われわれ精神科医の立場からすれば、このような間違ったイメージこそが治療のさまたげになっていると感じざるを得ません。 たとえば医療の現場で、不眠症で苦しんでい る人に睡眠薬や精神安定剤を服薬してもらおう としても、
「クセになるといけないから・・・」
「薬に頼るくらいならがまんします」
などと服薬 を拒否する患者さんが3、4人に1人はいます。
また、服薬したとしても、「近所の人からああいう薬は飲まないほうがいいといわれた」
などと、 途中から服薬を無断で中止してしまう方もいます。

睡眠薬はアメリカの空軍などでは当たり前のように利用されています。また、不眠症が必然的に生じる職種に就いている人たちは、 さほど抵抗なく睡眠薬を使用しているという現実もあります。 高血圧症や糖尿病などの治療薬については何の迷いもなく飲み続ける人も、

こと睡眠薬や精 神安定剤となると抵抗を示すのは日本人独特の傾向であるように思います。 医学的な立場からすれば、病気の対処で熱が あれば解熱剤、感染症には抗生剤、痛みには鎮痛剤というのと同様に、不眠には睡眠薬や精神安定剤という図式があります。

実際の薬物の科学的な効果も国際的に実証されていますので、われわれ医師は安心して処方薬を書いています。 ただし、心の病が背景に存在する場合は、不眠症の治療に加え、心の病という大もとの治療も並行して行う必要があります。 ごく一般的な不眠症であれば、適切な睡眠薬 や精神安定剤の処方により、ほとんどの場合は そう手間をかけずに治療できます。

見方を変えれば、不眠のために仕事に集中できないなどの マイナス作用が続くよりも、適切な睡眠薬や精神 安定剤を用いて、心地よい眠りを確保するほうが、 心身ともにはるかにプラス面が大きいといえます。 患者さんによっては、どうしてもマイナスイメ ージが強くて服薬することに「うしろめたさ」を感じる人もいますが、医師の指導のもとで、賢く睡眠薬や精神安定剤を利用するといった前向きな気持ちをもっていただければと願っています。
 

 

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