脂肪酸の分類

 

脂肪酸とは、カルボキシル基1個を持つカルボン酸のうち鎖状構造を持つものの総称。脂質の主要な構成成分としてグリセリンとエステル結合した形で存在するものが多い。二重結合を持たないものを飽和脂肪酸、一つ持つものを一価不飽和脂肪酸、二つ以上を持つものを多価不飽和脂肪酸という。
なお、「第六次改定日本人の栄養所要量」では、
飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の摂取バランスの目安は、
「3:4:3」とされている。つまり、摂取量の60%は一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)となっている。

脂肪酸の分類

  種類 脂肪酸名 多い食品例 特徴










ラウリン酸 ヤシ
ココナッツ
・コレステロール値を上げる。
・血液の粘度を増す。
・体内で分解されにくく蓄積する(肥満)。
・過剰摂取は動脈硬化の原因になり、進むと、脳卒中、狭心症、心筋梗塞。

動物性食品を全く摂取しないのは問題で、
コレステロール不足の症状になる。
ミリスチン酸
パルミチン酸 牛肉
ヤシ
バター
ラード
ステアリン酸 羊肉
牛肉
バター
n-9系








オレイン酸 オリーブ
菜種
アーモンド
ピーナッツ
アボカド
・一価〜多価では最も酸化しにくい。
・過酸化脂質を体内でつくりにくい。
・心臓病・がんの発病性低下。
・血漿コレステルール値低下。
・胃酸分泌の調整。
・腸の運動を高め、便秘を予防、改善。




n-6系








リノール酸 紅花油
ひまわり油
大豆油
コーン油
ごま油
くるみ
・血中コレステロールを減らす。
・血圧を下げる。
・α-リノレン酸のEPA、DHAへの変換を阻止する。
・摂りすぎると、善玉コレステロールまで減らす。
・酸化しやすく、がんの原因となる過酸化脂質を生む。
・肺がん、乳がん、大腸がん、前立腺がん、すい臓がんなどは、リノール酸によって促進される。
・リノール酸から作られるアラキドン酸はアレルギー症状を進め、アトピー性皮膚炎、花粉症をふやす。
γ-リノレン酸 食品には余り含まれていな い。母乳、特 別な種子、藻類に含まれる。 ・血糖値を下げる。
・血圧を下げる。
・血中コレステロール値を下げる。
・血栓を解消し、血液の流れをよくする。
アラキドン酸 レバー
・免疫系の機能を調節。様々な症状を予防・改善。
・血圧を調整する。
・体内でリノール酸から合成もされる。
・必要なものだが、過剰に摂ると、動脈硬化・高血圧・心不全・脂肪肝・アレルギー性疾患・アトピー性皮膚炎を起こしやすくなる。
n-3系








α-リノレン酸 亜麻
しそ
えごま
・酸化しやすい。
・体内で、EPA、DHAを合成する。
・がん細胞の増殖を抑える。
・血圧を下げる。
・血栓を解消し、血液の流れをよくする
エイコサペンタエン酸
・悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす。
・脳・神経組織の機能に関わる。
・血小板の凝集を抑制。
・血圧を下げる。
・血液中の中性脂肪を減らす。
・抗腫瘍効果がある。
・アラキドン酸の作用を抑制する。 (アレルギー症状や炎症性疾患の症状改善)
・過剰に摂ると、血液が凝固しにくくなり、出血が止まりにくくなる。
(EPA) うなぎ
まぐろトロ
ぶり
さば
さんま
はまち
ドコサヘキサエン酸
・脳に多く含有。
・血小板の凝集を抑制。
・血栓を溶解。
・血管を拡張する。
・悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす。
・血液中の中性脂肪を減らす。
・抗がん効果がある。
・アラキドン酸の作用を抑制する。
*α-リノレン酸を含む食品を摂取すると、体内でEPAに変わる
*過剰に摂ると、血液が凝固しにくくなり、出血が止まりにくくなる
(DHA) さば
はまち
きんき
まいわし
うなぎ
さんま
ぶり 等
         
※ 注)
  1. 必須脂肪酸は皮膚の完全性と細胞膜構造の維持、プロスタグランジンやロイコトリエンの合成などに必要なもの。
  2. n-6脂肪酸とn-3脂肪酸の摂取バランスは通常「4:1」がよいとされている。

備考

  • 参考情報:科学技術庁資源調査会編「五訂 日本食品標準成分表―新規食品編」(平成9年5月発行)、科学技術庁資源調査会編「日本食品食物繊維成分表」(平成4年11月発行)、健康・栄養情報研究会編「日本人の栄養所要量―食事摂取基準―」(平成13年4月、第一出版発行)